今回は機械設計とAIというテーマについて書いてみます。
つまり、機械設計という仕事をAIがやってしまって、人間がやることはなくなってしまうかどうかです。
よくニュースやインターネットでAIによってなくなる仕事という情報が発信されています。
こちらがその一例です。
結論から言うと、人間が行う機械設計の仕事はなくなることはないでしょう。
そして、機械設計だけではなくどんな仕事についても同じことが言えます。
いったいどいうことでしょうか。
そもそもAIとはどういうもので、何ができて何ができないのか。
これを理解するところから始めてみたいと思います。
それではどうぞ。
AIとは
今更ですが、AIとは人工知能のことです。
AIは略です。
正式にはArtificial Intelligence です。
ざっくりいうとコンピュータです。
もっというと計算機です。
このコンピュータに膨大なデータを与えて解答を出してくれるシステムがAIです。
つまり、AIは膨大なデータを得るためにインターネットにつなげたり、人間とコミュニケーションを取るためにマイク、スピーカや画面を備えたりしています。
一例をあげればペッパーくんです。
AIができること
AIは前述した通り計算機です。
・画像を認識できるので、人の顔や名前を覚えることができます。
・音声認識で会話したりして人間とコミュニケーションをとることができます。
・当然のことながらプログラムされたことは、その通りにやることができます。
機械設計の仕事であれば、プログラムされた通りの仕事です。
AIができないこと
人間とコミュニケーションがとれて、決められた仕事ができれば何でもできるような感じを受けてしまいますが、みなさんはどのように感じられたでしょうか。
AIがなんでもできるかどうかは、プログラムされた決められた仕事の範囲がどれくらいかによる、そのように考えることができます。
よって、AIができないこととは。
・プログラムされていないこと
・データがないこと
そして、最後に最大の難関である
AIが自分をプログラムできれば、世の中がどうなっていくのか想像がつきません。
機械設計の仕事とは
機械設計の仕事という言葉から直感的にイメージするのは、やはり製図でしょうか。
現在では図面を手描きすることはほとんどなく、コンピュータによるCADで製図をしています。
しかし、機械設計の仕事は製図だけではなく、以下の代表的な仕事があります。
・要求仕様を実現可能な形に構想し計画すること
・コストと納期を定めること
・機能、性能、強度を定めること
・機器や材料を選定すること
・加工、組立、試験、メンテナンスなどを考慮すること
・寸法、公差、はめあい、仕上げを決めながら製図すること
・組立図、詳細図、製作図において不備や変更があれば図面を訂正すること
機械設計という名前から、みなさんがイメージとして持っている業務内容をざっと書いてみました。
この中でも最後の2つにある製図と図面訂正が、多くの機械設計者の方が携わる仕事だと思います。
確かに、製図と図面訂正の仕事量が機械設計の中で最も多いと思います。
しかし、製図に至るまでにたくさんのことを決めてきている設定があります。
つまり、製図とは多くの決め事にもとづいて作られているため、その設計が妥当であると判断する条件や根拠が複雑で難解、変化もするということです。
しかし、全ての図面がそういというわけではありません。
他の装置や機器にほとんど影響がない単品の部品図であれば難しい判断はほとんどありません。
このように、機械設計の仕事とは単純な内容から、複雑でトレードオフを必要とする調整が難しい内容まであります。
まとめ
AIについて簡単に内容をご紹介しました。
また、機械設計の仕事内容についても簡単ですがご紹介しました。
そして、機械設計の仕事をAIができるのか。
結論は「できます」です。
ただし、機械設計の仕事全てではありません。
AIにプログラミングした範囲の仕事だけです。
つまり、人間がプログラミングできる範囲の仕事ということになります。
プログラミングできる範囲とは、変化の少ない仕事の範囲です。
時間、場所や状況に応じた判断を要するような変化が多く複雑な仕事は、プログラミングすることが難しいためAIにはできない仕事です。
これは機械設計の仕事だけに限らず、全ての職業に当てはめることができます。
よって、どんな職業でもAIが全てをやってしまって、人間がやることはなくなってしまうということはありません。
今のところです。
将来、AIが自分自身でプログラミングできるシステムを人間が開発してしまったら。
人間の仕事がなくなる心配よりも、AIが人類の存在を脅かす映画の世界のようになるかもしれません。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。