今回は、技術士になる動機について書いてみたいと思います。
結論から言いますと、技術士になってからどう行動するのか。
そのことについて考えて、その結論を動機にする必要があるということです。
なぜそのようにする必要があるのか。
その理由について解説したいと思います。
これはあくまで私個人の考えですので、そこのところをご了承くださいますようお願いいたします。
この記事を読んでいただければ、技術士になる動機とはどんな内容が適しているのか、また口頭試験においても不合格にならない回答ができるようになります。
これから技術士を目指そうとされている方、
技術士を目指して試験勉強に取組んでいる方、
または既に技術士になった方で改めて技術士として何に取組むべきかを模索している方に、ご参考にしていただければと思います。
それではどうぞ。
技術士のメリットを動機にする
技術士になる動機となると、まず技術士にどんなメリットがあるのかです。
インターネットで、「技術士 メリット」と検索すると、いろんなサイトでたくさんの情報が掲載されています。
技術士は知名度が低いために「技術士になるメリットがない」と紹介している記事もあります。
技術士になればメリットがないわけではありません。
いろんな資格試験で一部の試験免除などがあることや、建設業法における専任技術者や主任技術者になれるなどがあります。
これらのメリットが、技術士を目指す動機になる魅力的な利益だと思えるかどうかです。
人それぞれなので、これらが動機になる人がいるかもしれません。
しかし、上記のメリットを動機にしている人は、技術士になる理由がまだふわーっとしているのではないでしょうか。
ふわーっとしている状態では、技術士になるんだという覚悟がまだできていません。
技術士になりたいという気持ちを動機にする
技術士になりたいという気持ち、これが一番大切です。
これがなければ何も始まりません。
しかし、「技術士になりたい」という気持ちは動機ではありません。
技術士のメリットとか関係なく、「技術士という称号を得るだけでいいんです」といった考えは、自己満足でありただの欲求です。
こういった考えは、技術士として相応しくありません。
また、口頭試験において動機を聞かれたときに答えられません。
この問に答えられないのは致命的です。
即不合格と判断されかねません。
それほど技術士になる動機というのは、口頭試験において特に重要なのです。
なぜ技術士になりたいのか。
この機会にみなさん自問自答してみましょう。
人それぞれですが、みなさんの中には上記のようなことが技術士になりたいという気持ちを持った「きっかけ」になった方もいるのではないでしょうか。
いいんじゃないでしょうか、「きっかけ」はそれで。
どんなきっかけであろうと「技術士になりたい」「技術士を目指すんだ」という最初の志を持てたことが貴重です。
みなさんご承知の通り、技術士試験は難関です。
1次試験合格後4年間の実務経験、2次試験の論文試験と口頭試験、低い合格率など厳しい現実が待っています。
これらを乗り越えるために、技術士になりたいという気持ちを持ち続けなければなりません。
しかし、技術士になりたいという気持ちだけでは、厳しい現実を乗り越えることは困難です。
では技術士になりたい動機とはどのような内容であるべきなのでしょうか。
技術士試験に向けた勉強を通して、技術士になる「きかっけ」から「動機」「理由」を見つけることができます。
技術士になったら何をするか
みなさんは、いつか技術士試験に合格し、技術士になります。
では、みなさん技術士になって何をしますか。
とりあえず、名刺に「技術士 機械部門」を書きましょうか。
しばらくその名刺を眺めてにやついた後を想像してみましょう。
これからの技術者人生をどうするか。
他の資格試験を受験してさらに資格を増やしますか。
専任技術者や主任技術者になりますか。
資格を増やしたり、専任技術者や主任技術者になったからといって、技術士になった本当の価値を感じることはできないでしょう。
上記のために技術士になったわけではないからです。
じゃあ独立開業してみましょうか。
しかし、技術士であるというだけで独立開業はまず不可能です。
独立開業はできても続かないという意味です。
自分の技術的成果に対して、お金を出してでも必要としている顧客を持っていないと、独立開業の道は困難でしょう。
開業してもすぐにお店を閉めることになる可能性が大きいです。
独立開業は、技術士という資格だけで成立するものではありません。
技術力、営業力、経営力、人脈、知名度など総合的な社会を生き抜く能力が必要です。
医師や弁護士でさえ、それらの能力がなければ病院や事務所を閉めることになります。
というわけで、技術士になったからといって特別な何かをすることはありません。
技術士としての仕事
ここからが本題です。
技術士になって、これからの仕事について考えてみましょう。
難しく考える必要はありません。
これまで行ってきた仕事の延長線上にあるはずです。
設計やものづくりにおいて、どんな困難も乗り越えていく。
試験や評価において、どんなトラブルも解決していく。
チームや後輩若手の指導において、どんな苦労にも立ち向かっていく。
利害関係者との調整において、どんなに煩わしくても取り組んでいく。
技術士になっても、これまでと同じように取り組んでいきます。
ただし、技術士としての誇りをもって取り組むことになります。
技術士の誇りとは、科学技術に関する技術的専門知識と高等の応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた優れた技術者であるという自負です。
まとめ
技術士になる動機について書いてみました。
技術士のメリットはあるのですが、資格試験免除などは動機になりません。
技術士になるきっかけは、些細なできごとかもしれません。
口頭試験において、「なぜ技術士になろうと思ったのですか」
という問いに対して、「会社の上司や先輩に勧められたからです」
このように答えた場合、次の質問は「技術士になって何をしますか」
これに技術士が何なのかを踏まえて答えられなければ、不合格の可能性大です。
技術士に相応しくない内容や、技術士でなくてもできる内容の場合、
「それは技術士でなくてもできますね」と指摘されるでしょう。
技術士の勉強を進めていくうちに、自分に足りなかった知識や考えに気づいていきます。
そして、技術士とはこうあるべきだという像が見えてきます。
日本技術士会のHPの記事を一部ご紹介します。
技術士は日本産業の発展の要となる優秀な技術者です。
そして、企業等の不祥事が報道される昨今、高度な技術と高い技術者倫理を兼ね備えた技術士が求められています。
今の時代こそ技術士は必要です。
つまり、技術的専門知識と高等の応用能力及び豊富な実務経験、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えているという自負を持ち、日本産業の発展に貢献することが技術士になる動機であり理由でなければなりません。
これを口に出すのはなかなか恥ずかしいですが、自分なりの言葉にアレンジすればよいのです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。