私が2018年に受けた、技術士第二次試験の口頭試験の体験を書きます。
2017年の試験に引き続き、筆記試験に合格して口頭試験に臨むことになりました。
前回の失敗を繰り返さないように準備をしました。
この記事を読んでいただければ、口頭試験のパターンみなたいなものが見えてくると思います。
必ず聞かれる質問や、質問のしかたが違うだけで同じことを聞いている質問など。
前回の口頭試験体験の記事はここを参照ください。
前回の失敗を踏まえた対策
業務経歴票対策
内容を完全に暗記することと、書いていない情報をそれぞれの案件で1~2項目準備しました。
ただし、説明しすぎて時間がかかりすぎるのはよくありません。
特許対策
私には特許を取得した実績がなかったため、社内表彰された高い利益を出した技術と創意工夫した技術について情報を整理しました。
シミュレーション対策
業務詳細で記載した業務において、試運転調整の段階で機器を破損したことがあり、その原因調査、分析においてシミュレーションを行いました。
その情報を整理しました。
試問内容
ここからが試問内容です。
参考にしてください。
業務経歴票の内容を説明してください(前回と同じ)
準備していた解答で対応することができました。
試験官の方から、いろんな経験をされているんですねと言われ、好印象を持たれたと感じました。
技術的な失敗例とその対応内容を説明してください
業務詳細で失敗した事例においてシミュレーションを用いて原因分析し、その結果を基に設計見直し、再製作した実績を説明しました。
シミュレーションによって応力集中していることが判明し、破断面観察によってその部位から破壊が進行していたため、シミュレーションと現物が一致していたという内容です。
特許・学会発表などの実績はないか(前回と同じ)
社内表彰された技術を解答しました。そしてどうような技術だったのかを簡潔に説明しました。
また、学会発表については、産業雑誌に技術紹介として記事を寄稿したことを説明しました。
特許や学会発表はありませんでしたが、それに代わる実績を説明しました。
試験官の方からは、特許はないんですねと念押しされました。
ありませんと答えましたが、なんとか合格できました。
設計は一人で行っているのか
3~4人のチームで行っており、私が設計、考案して根幹部分の図面を書き、それをチームのメンバーに渡してその他の基本的な技術に関する部分を書き加えて図面を完成させていくことを説明しました。
ここでは、私がチームのリーダーであり、設計責任者であることを説明できたと思います。
コストの意識はあるか
私が担当する案件は、自分で設計コストを算出していることを説明しました。
また、実際の業務においては、設計だけではなく、私が製造、検査、工事など全体予算を把握してマネージメントしていることを説明しました。
業務詳細以外の業務で成果のあった業務は何かあるか
昨年の業務詳細の内容を説明し、大きな利益を得られたことを説明しました。
なぜ大きな利益につながったのか、技術的に工夫した内容を合わせて説明しました。
設計製図する際、注意していることは何か
基本的な事項として、組立図と詳細図で不整合がないか、組立やメンテナンスが行えるか、強度不足がないか、
アクチュエータの容量不足がないか、機構が成立しているか、理解しやすい図になっているかなどを説明しました。
顧客と仕様調整の際、システム的な質問シートは使用しているか
基本的な事項を記載したものがあるが、私が担当する案件は開発要素が多いため、一般的なシステムシートはあまり有効ではないことを説明しました。
その代わりに、私が顧客と直接打ち合わせをして仕様を調整していることを説明しました。
試験官から、どのような調整をされるのですかとさらに質問がありました。
技術的に高い仕様を求められるとコストと納期に影響するため、トレードオフの観点から調整していることを説明しました。
トレードオフのキーワードを使ったことが、試験官の方によい印象を持たれたと感じました。
技術者倫理について注意していることはあるか
当時は、日本を代表するようないくつかのメーカーが、品質データを改ざんしているニュースがよく出ていました。
私が担当する業務は、公益性の高い内容が多いため、どのようなプレッシャーがかかってもそのような改ざんを行わないように取り組んでいこうという考えを述べました。
技術士の責任について説明してください
暗記した3義務、2責務の内容をそのまま説明しました。
技術士法の罰則の内容について説明してください
これも暗記したそのままです。
あなたの技術的なバックグラウンドは何ですか
あなたが機械設計を行う際、どのような技術、知識、経験を基に設計していますかという質問でした。
基本的には、材料力学、流体力学、機械力学、熱力学、機械要素、機械製造、組立調整などの機械工学に関する知識を基にしています。
また、組立作業、メンテナンスや試運転調整にも携わることが多いため、それらの現場経験も設計に役立てていることを説明しました。
勉強した参考書
技術士 第二次試験 口頭試験 受験必修ガイド 日刊工業新聞社
まとめ
特許や学会発表は昨年も聞かれた内容でした。これらは技術士として必須なんだと感じました。
技術的な責任者であることを確かめられた質問、会社に貢献できているか、利益を出せているかなど、コスト意識に関する質問もありました。
失敗やその対処法、成功事例など幅広く質問されました。
ただ、筆記試験の内容に関する質問はありませんでした。
これらの情報は、勉強した参考書にほぼ書かれていた通りでした。
上記の参考書を勉強すれば十分対策できると思います。
最後まで、読んでくださりありがとうございました。